INTERVIEW
01
学校長
都築 仁子
(つづき きみこ)
学校長
学校長
都築 仁子
(つづき きみこ)
学校長
創立六十年を迎える都築学園グループは、「個性の伸展による人生練磨」を一貫して建学の精神としてきました。
都築学園グループ校のパンフレットやキャンパス内で掲げているこの言葉は、「第一義諦」と呼ばれる仏教用語が由来となっており、この建学の精神を現代的に進展したものが「和魂英才」という言葉です。個人や地域そして国の持つ長所や美点、特質、いわゆる個性すなわち第一義的特性を理解し、確立する。その信念とも呼べる個性の確立があってこそ、グローバルという世界に出た際にアイデンティティを持って物事を理解できると思います。
「和魂英才」のベースとなった「和魂漢才」は、学園の発祥の地である福岡や太宰府と縁のある菅原道真公の「菅家遺誡(ゆいかい)」に始まる言葉であり、当時の大陸との関係において生み出された言葉です。それは明治維新へと承け継がれ、新政府により「和魂洋才」として西欧文明を受け入れる思想軸へと変化します。現代的に解釈した「和魂英才」は『国外のモノを理解し活用する為には、軸となる日本の魂が無ければならない』という、世界に羽ばたく日本人に向けたメッセージとして伝えています。
英語は、グローバル社会で活躍する際に必ず必要です。しかし、真には日本の事をより多く深く学び、そのうえで世界共通語のツールとして英語を学ぶという、順序が重要です。戦後無くなってしまった国学や国史といった国の歴史についても学び、日本という国が世界の中でどう生きてきたかを学び、将来に活かすべきではないでしょうか。
日本が伝統的に培ってきた固有のものが次の世代に受け継がれず、オンリーワンとしての価値や存在感が段々と減ってきているように思います。いまだに日本の美しさや強さ、素晴らしさを学んでいないために、「欧米が偉くて日本は駄目な国」だというコンプレックスを抱いている人が多いのではないでしょうか。
「世界中で、日本は、海外にない多くの美点や長所、知恵や尊い倫理や道徳を持っています。だからこそ日本という固有の文明に自信を持って世界に貢献する時が来ているのではないでしょうか。」
多くのオンリーワンの価値を持つ「日本よ!もっと自信と誇りをもって活躍しなさい」と改めて言いたいのです。
これからの日本は、ビジネス、観光客、移民など、海外から押し寄せる波を乗り越え、めまぐるしい変化をしていきます。世界という大海原で活躍するためには、まずは日本という国を十分に理解した上で、自己の確立と倫理観を持ち、ツールとしての英語を習得する。
この「和魂英才」の精神を忘れず、人生練磨を惜しまないで下さい。